加工技術VAVE提案事例

焼入れ品から同等の特性を持つ材料への変更提案によりコストダウンを実現

建設機械の運転席周りの部品は焼き入れよる高硬度化や耐摩耗性の向上などを行うことが一般的であると言えます。こちらの製品の場合においても、ピンの摺動部に耐摩耗性が求められていたことから、S45Cに焼入れを行い、材質に強度を持たせた後に加工を行っていました。

しかし、焼入れのプロセスがフレーム焼きだった為に非常に高価な上、焼割れの発生があり、歩留まりの悪化も見られていました。そこで、材質をSS400に変更し、リーマのサイズを上げてブッシュを圧入する方法に変更することでコストダウンにつながりました。これにより、加工性も向上するので、加工工程においても時間短縮によるコストダウンを実現しました。

POINT
建設機械や産業機械等の部品では、摺動部において耐摩耗性が求められます。その為、焼入れを行った材料を用いる場合が多々見られます。しかし、熱処理工程や加工性を考慮した場合、焼入れを行わない材料への変更提案を行うことで加工コストを抑えつつ、十分な品質を担保できることがあり、常に材料に対する知見を持って設計を行うことが重要です。