製品情報

本製品は、建設機械の運転席用のブラケット部品です。写真にある通り、部品点数40点（30種程度）の部品で構成され、当社にて全てを溶接により組み上げています。

本製品がブラケットの役割を果たしており、各機械要素が周辺に取り付けられるように配線やケーブルの逃がしも考慮した構造となっています。

本製品自体の構造は加工を考慮した場合複雑ですが、周辺の機器の組付け工数を考慮すると、トータルでコストダウンが可能になるという製品です。

加工におけるポイントで言うと、
１．曲げ加工のRサイズと曲げ痕（内キズ）を考慮した加工を施している点
２．曲げ・溶接縮みを考慮した、板取りを行っている点

1つ目の曲げ加工部におけるポイントは、本製品が建設機械を用途としている為、振動による折損を考慮した構造としている点です。例えば曲げRのサイズをR2.5～3、R5とすることで（内キズを少なくし）曲げ部での強度確保を行っています。

2つ目は、構造上、部品同士を溶接で接合する過程で縮み・歪みが起きやすい点です。

本製品は40点にも及ぶ部品を溶接することから、溶接の特性を理解していないと溶接縮みによる影響で部分的に長さが不足することがあります。
また、溶接による逆歪みなども加工箇所では発生する可能性があり、溶接後に歪み取りという仕上工程が必要となる場合があります。

一方、当社では溶接時における「縮み」と「歪み」を考慮した溶接プロセスの検討と、ブランク工程において上記を考慮した取り代をつけることで、不良が起きない製品づくり・歪み取り仕上げが不要となる加工を実現しています。

結果として、加工工数削減によるコストダウンの提案が可能となっています。