加工技術VAVE提案事例

市販材を活かした製品形状へと設計変更を行う事でコストダウン

 左図の加工品は3部品で構成される溶接構造品で、44㎜の厚板部品を用意し、溶接を行う指示となっています。ポイントは、この厚板部品の加工にあり、これまではSS400材を用いて厚さ44㎜、幅20㎜の形状加工を行っており、厚さがある為、溶断を加工方法としていました。その結果、熱影響により製品の曲りや寸法のバラつきが起きる為に品質の安定は難しいとの回答があり、当社に相談がありました。

 こちらの製品の場合には、取付面の確保に設計者が重きを置いており、サイズはもちろん切断面の形状も重要なものとなっています。当社では、溶断工程をなくし、SS400ミガキ平鋼を使用するように材料変更提案を行いました。この変更により、溶断工程がなくなるので、品質を安定させることができ、取付後に隙間ができるなどの品質不良の心配もなくすことができました。

POINT
市販の材料を把握して、厚さ・長さ等の設計を行う事が重要です。こちらの場合には、市販の材質サイズとその製品スペックを活かすように材料変更の提案をしました。これは、市販材料の特徴を理解していることがポイントとなります。材質変更を含めた品質向上提案・コストダウン提案をお求めの際には、加工屋の視点でアドバイスをもらうと良いと言えます。