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溶接工程について

ファイバーレーザーによる隅肉溶接のご提案!

 

 

 

 

 

 

 

はじめに

 今回の記事では、アルミ溶接工程における歪み低減を実現する為の、「TIG溶接」から「ファイバーレーザーによる肉盛り溶接」への工法転換についてご紹介いたします。
 TIG溶接、ファイバーレーザー溶接とは何か?ファイバーレーザー溶接の必要性に関して、隅肉溶接に関しても詳しくご紹介いたします。

TIG溶接とは

 TIG溶接はTungsten Inert Gasの頭文字を取って表されており、タングステン不活性ガス溶接のことを言います。
 ステンレス・アルミ・鉄・マグネシウム合金など様々な金属を火花を散らすことなく溶接することができるという特徴があります。また、TIG溶接はアーク溶接の一種で、溶接対象の金属間にアークを発生させその熱によって母材を溶かし溶接します。

 

ファイバーレーザー溶接とは

 ファイバーレーザー溶接はエネルギーの増幅媒体として光ファイバーを用います。また、ファイバーレーザーは、レーザーのエネルギー密度が非常に高く、小径スポットで溶接を行うことができるためビード幅に対する溶け込み幅がTIG溶接と比較をすると非常に深く、歪みの少ない高品質な仕上がりを実現することができます。
 溶接の工法としては、比較的新しい方法ですが、従来の溶接工法と比較をすると高い溶接品質を実現することができる点、出力が高いためスピード溶接が可能な点、異種金属の接合にも優れている点等においてメリットがあります。

 しかし、ファイバーレーザー溶接機自体の価格が高く初期費用が掛かることがデメリットとして挙げられます。

なぜファイバーレーザーによる溶接が必要なのか?

 一般的な溶接を行う際には、TIG溶接を活用することが多いのですが、鉄の薄板、アルミ、ステンレスを溶接する場合には、熱による歪みの影響が大きく出てしまう為、歪み取り等溶接後の加工仕上げを行う工数が余計に必要となります。
 ところが、ファイバーレーザー溶接を活用することで、TIG溶接を活用した際と比較をして、歪みを低減して美しい仕上げを実現することができます。そのため、加工仕上げを行う工数も減らすことができます。

ファイバーレーザー溶接で隅肉溶接が求められる理由

 ファイバーレーザー溶接において、隅肉溶接がなぜ、求められるのか?というと、レーザー溶接技術自体が新しい技術であるため、見た目上、不安に思われるエンジニアの方が多くいらっしゃいます。そこで、見た目上でもTIG溶接と同等であるということを見せる目的で、この隅肉溶接が求められます。
 例えば、製作する部品が、特殊車両等ならびに駆動性をもつ製品に組み込まれる場合、一定の強度が求められます。というのも、駆動する製品は部品・部材レベルに振動や、衝突による強い力がかかるため、一定の強度が求めらており、部材一つひとつの溶接個所にも充分な強度が必要だからです。
 そのような部品用途において通常のファイバーレーザー溶接を活用すると、エネルギー密度が高く光が1点に当たるため、溶接代(ビード面)に十分な肉盛りが出ず、見た目上強度面において不安が残ってしまうのです。

 そこで、当社ではファイバーレーザー溶接では隅肉溶接を行うことで、見た目上の強度不安を解消しております。※ちなみに、この隅肉溶接は簡単なものではなく、ファイバーレーザー溶接機の扱いに慣れており、技術力のある会社のみできる工法となります。

当社の加工事例

 では次に、このファイバーレーザー溶接による隅肉溶接を活用した、当社の加工事例についてご紹介を致します。

 TIG溶接からファイバーレーザー溶接によって工法転換を行った事例です。アルミ製(A5052)のベースパネルで、切断加工、製缶加工、板金溶接によって製作を致しました。ベース板は薄いのですが、リング・ボスが10mmほどの厚みがあるため、レーザー溶接かつ溶加棒を入れ、隅肉溶接を実現しています。
 駆動性のある製品でアルミ溶接を行うことは一般的には非常に難しいのですが、従来と比較をすると、隅肉溶接によって加工精度、外観も良化しております。

>>>事例の詳細はこちらから

隅肉溶接なら溶接板金加工.comを運営する株式会社岩本鉄工所にお任せ下さい!

 溶接板金加工.comを運営する株式会社岩本鉄工所は、石川県を拠点にベンダー加工・レーザー加工・微細加工・アーク溶接・ティグ溶接・アルゴン溶接・Co2溶接・ロボット溶接を手掛けております。溶接板金の品質・スピード・コストでお困りのお客様は是非一度ご相談、お問合せ下さい。今回ご紹介した隅肉溶接におきましても対応可能ですのでお問合せ下さい。

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